庚申待ち (こうしんまち)
- 備考
- 庚申待ちの日に町の者を集め、夜通し話をさせて神様をお守りしている宿屋に武士が一人泊まった。皆がたわいのない話をしていると、熊谷で人を殺して金を奪った話を熊さんがした。すると泊まっていた侍が宿屋の主人を呼び、「熊谷で殺されたのは拙者の父だ。明日、手打ちにいたすからその者を逃がすな」と言ったため、熊さんはしばられ、その後は話をする者はいなくなった。翌朝、侍が何事もなかったように出立しようとするので確かめると、「あれはうそじゃ。ああ言わないと、やかましくて寝られない」