夜もすがら検校 (よもすがらけんぎょう)
- 備考
- 長谷川伸原作。伴を連れて京都から江戸へ琵琶を語りに行った検校が京都への帰り道、伴の者の裏切りにあい、雪の中に置き去りにされる。それを助けてくれた男がいたが、男は一文無し。仏壇を壊して、囲炉裏にくべ、雑炊を振る舞ってくれた。数年後、検校の屋敷を訪れた男に、検校ができる限りのもてなしをする。しかし男にはそれが気にいらない。今、ぜいたくな思いをしても、屋敷を出れば貧乏に逆戻り。つかの間のぜいたくは自分にとって毒でしかないという。検校は大事な琵琶を囲炉裏にくべて、数年前の礼とし、男のかたくなな心も解ける。