真景累ヶ淵 お熊の懺悔 (しんけいかさねがふち おくまのざんげ)
- 備考
- 新吉とおしずが駆け落ち同様に羽生村から逐電して七年。松戸の在所の茶屋で旧知の馬方作蔵と会い、母親を高野山で供養するためにお累の兄三蔵が大金を持って旅をしていることを聞く。三蔵を殺して金を奪ったうえ、作蔵も殺して逃げる。人里離れた観音堂で老尼と出会う。その身の上話から、この尼はおしずの母、お熊であり、おしずと新吉が殺した土手の甚蔵はおしずとは異父兄妹、さらに新吉とおしずは異母兄妹と分かる。すべて悪行の報いと悟り、鎌でおしずを殺し、自らものどをかいて息果てる。